2026年10月31日(土)、11月1日(日)、富士スピードウェイにて、インタープロトシリーズ Proクラス 第5戦・第6戦が開催された。
同一性能の専用レーシングカー「kuruma」を使用し、ドライバーの技術と駆け引きで勝敗を争うインタープロトシリーズ。全3大会・6戦で争われる今シーズンもいよいよ最終大会を迎えた。ランキング首位は、前回の雨の富士で2連勝を飾った#3 卜部和久選手(INGING MOTORSPORT)。70ポイントの卜部選手を、開幕2連勝の#88 佐々木大樹選手(Pastel Motorsport)が56ポイント、#44 山下健太選手(NAVUL)が55ポイントで追う。
土曜日の公式予選は晴れ・ドライコンディション。日曜日の決勝も路面はドライとなったが、雲の切れ間から日が差したり陰ったりと、日差しによって体感温度が変わる状況となった。

■公式予選 野尻智紀がポールポジション獲得。トップ4台が0.078秒差にひしめく
15分間の公式予選は、終盤のアタックで上位のタイムが一気に更新される展開の中、ポールポジションを獲得したのは#55 野尻智紀選手(人馬一体ドライビングアカデミー)。今シーズン初のポールポジション獲得となった。2番手にはエンジン始動のトラブルでコースインが遅れたものの最後のアタックで野尻選手にわずか0.049秒差となる1分44秒474をマークした#88 佐々木選手。3番手は#37 牧野任祐選手(キーパー号)、4番手に卜部選手。トップ4台が0.078秒差という僅差の予選となった。
■第5戦 野尻智紀がポール・トゥ・ウイン。卜部和久が3位でシリーズ連覇を決める
日曜日の第5戦決勝は9周のレース。しかし、スタート直前にタイトル争いを大きく左右するトラブルが発生する。2番グリッドの佐々木選手のエンジンが始動せず、各車がローリングラップへ向かう中、マシンはグリッドに取り残されてしまった。佐々木選手を欠いた隊列は、野尻選手を先頭にレーススタート。牧野選手が加速を合わせて1コーナーで迫ったが、野尻選手が首位を守る。その後方ではクインタレッリ選手が卜部選手に並びかけ、コカ・コーラコーナーまで争いを持ち込むも、卜部選手が前を譲らない。さらに山下選手と小林選手も接近し、スタート直後から各所で順位争いが始まった。
2周目の1コーナーでは、卜部選手が牧野選手に仕掛ける。いったんアウト側へ動いてからインへ飛び込み、2番手へ浮上。牧野選手も立ち上がりで並び返したが、卜部選手が抑え切った。序盤には阪口晴南選手も順位を上げ、牧野選手をかわして3番手へ進出する。
3周目には、小林選手が1コーナーのアウト側から山下選手を攻略。山下選手はコカ・コーラコーナーから100R、ADVANコーナーにかけて反撃したものの、小林選手が前を守った。前方では、卜部選手を追う阪口晴南選手が接近。4周目の1コーナーでインを守る卜部選手に対し、立ち上がりでクロスラインを狙うなど、2番手争いが熱を帯びていく。その間に野尻選手は自らのペースで周回を重ね、後続との間隔を広げた。
6周目のダンロップコーナー。阪口晴南選手が卜部選手のインへ飛び込むも両車が接触。卜部選手はコースアウトするも復帰し、阪口晴南選手が2番手、卜部選手が3番手となった。
野尻選手は一度も首位を譲らず、ポール・トゥ・ウインで今シーズン初優勝。2位に阪口晴南選手、3位に卜部選手が入り、ロニー・クインタレッリ選手が4位、牧野選手が5位、小林選手が6位で続いた。佐々木選手は1周遅れの11位で完走。卜部選手はこの3位により、最終戦を待たずに2年連続のシリーズチャンピオンを決めた。
■第6戦 卜部和久が王者の走りで今季3勝目。山下健太と佐々木大樹の争いは0.042秒差の決着
第5戦の結果順でグリッドに並び、短いインターバルを挟んで迎えた第6戦。レース間はタイヤの内圧やセットアップを変更できず、各車はそのまま最後の9周へ向かう。日差しは次第に陰り、スタート前には気温16度まで低下する中、第6戦決勝がスタート。
ポールポジションは野尻選手、2番手に阪口晴南選手、3番手に卜部選手。山下選手は8番手、佐々木選手は11番手からの追い上げとなった。第5戦を終えた時点で、シリーズ2位争いは山下選手が佐々木選手を1ポイント上回る状況。最後のレースでシリーズ2を懸けた対決にも注目が集まった。
スタートでは阪口晴南選手が野尻選手をかわして首位へ浮上。卜部選手も前へ出る一方、後方から鋭い加速を見せたのが山下選手だった。1コーナーで一気に上位へ食い込み、コカ・コーラコーナーにかけての攻防を経て3番手へ。8番手スタートから、わずか半周足らずでトップグループへ加わった。対して野尻選手は順位を落とし、追い上げる側へ回る。
レース3周目、首位争いが動く。ホームストレートで阪口晴南選手に迫った卜部選手が、1コーナーのインへ。立ち上がりから並走が続いたが、コカ・コーラコーナーではアウト側に位置した卜部選手がコース内にマシンを収めたまま前へ出て、トップを奪った。その背後には山下選手、ロニー・クインタレッリ選手も続き、上位4台が接近する。
中団では佐々木選手が小林選手に追いつき、5番手争いが激しくなった。5周目にはADVANコーナーのインへ入り、300Rを並走してダンロップコーナーでブレーキング勝負。その後の切り返しでもクロスラインを狙ったが、小林選手も簡単には譲らない。最終コーナーから翌周のコカ・コーラコーナーまで続く攻防でも、小林選手がポジションを守った。
7周目、山下選手とロニー・クインタレッリ選手が1コーナーで争う間に、後方の佐々木選手と小林選手も接近。その後、佐々木選手が前へ出ると、小林選手もクインタレッリ選手をかわし、佐々木選手が4番手、小林選手が5番手へ上がった。佐々木選手の前に残るのは、シリーズ2位を争う山下選手。ここから佐々木選手が急速に差を詰めていく。佐々木選手は8周目に1分45秒091のファステストラップを記録。最終ラップに入る頃には、山下選手の真後ろまで追いついた。
9周目、山下選手と佐々木選手の争いは最後の最後まで続く。1コーナーでは山下選手が抑えたが、佐々木選手は100RからADVANコーナーでも離れず、ダンロップコーナーではアウト側からブレーキング勝負。山下選手がインを守ると、佐々木選手はクロスラインへ切り替え、続く切り返しでも仕掛けていく。山下選手がその都度進路を押さえる中、佐々木選手はGR GTコーナーで再び並びかける。最終コーナーへ向けても2台は並んだまま。立ち上がりからホームストレートの加速勝負となり、チェッカーまで続いた接戦は山下選手がわずか0.042秒差で守り切った。
レースは、卜部選手がトップでチェッカー。シリーズ連覇を決めた直後の最終戦を、自らの勝利で締めくくった。阪口晴南選手が2番手でフィニッシュしたが、5秒加算により山下選手が2位、佐々木選手が3位表彰台獲得となった。
シリーズチャンピオンは卜部選手。最後まで続いた2位争いは山下選手が制し、佐々木選手がシリーズ3位となった。自然吸気エンジンの轟音とともに、富士のストレートでもコーナーでも繰り広げられたドライバー同士の真剣勝負。今シーズン最後の大会も、チェッカーの瞬間まで目が離せない2レースとなった。
最終大会で今シーズン初優勝を飾った#55 野尻智紀選手

第6戦 最後尾から追い上げ表彰台を獲得した#88 佐々木大樹選手

第6戦 2位表彰台を獲得し、シリーズ2位となった#44 山下健太選手

第5戦の表彰台で連覇を決め、第6戦は自らトップを奪って優勝。2年連続王者の強さを示した#3 卜部和久選手

卜部選手の2年連続チャンピオンで幕を閉じた2026年シーズンのインタープロトシリーズ。来シーズンは2027年4月10日(土)、11日(日)に開幕。プロドライバーによる熱きガチンコレースに来シーズンも大いに注目いただきたい。
インタープロトシリーズ オフィシャルサイト
https://interprotoseries.jp/
Round.5/Round.6 公式予選 動画
https://www.youtube.com/watch?v=7CqEPuHrtFQ
Round.5/Round.6 決勝レース 動画
https://www.youtube.com/watch?v=T3Ao6TU77p0
リザルト
https://www.fsw.tv/motorsports/result/

