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酒井龍太郎
2025.11.16

JAF全日本カート選手権/AUTOBACS GPR KARTING SERIES Rd.9/10 OK部門

Rd.9
TT:6位
決勝:D.N.F
Rd.10
決勝:優勝

今回、ポイント差は大きくなってしまいましたが、チャンピオン争いに残ることができていたので、逆転を信じて全力で挑みました。

合同テストの調子はあまり良くなかったものの、そこからチームがセッティングを大きく変えてくれたことで速さを取り戻すことができました。
とはいえ、優勝するにはまだ遠い感触のまま、金曜・土曜を終え、日曜日を迎えました。
逆転チャンピオンのためには「2連勝」が絶対条件という厳しい状況の中で迎えたタイムトライアル。
1年ぶりに行われたスーパーポールではうまくまとめきれず、6番手。優勝を狙うには本当に厳しいポジションとなりました。

第9戦は「前半から順位を上げる」と決めて臨み、スタートの展開にも恵まれて6番手から4コーナーまでに2番手へ浮上。
ペースもよくトップまで上がれて、優勝に向けて確実に近づいていた時に――エンジンのトラブルによりマシンが突然異音を立て、ストップ。
何が起きたのかの現実を飲み込めず判断が遅れ、結果的に後続の2番手の選手に追突させてしまいました。
マシンをコース外に止めた瞬間、数十秒が何十分にも感じるほど頭が真っ白になり、しばらくマシンの上に座り込んでいました。
レースが終わり車検場に戻った時の記憶も、正直ほとんどありません。

そんな中で声をかけてくださった方々、背中を押してくださった方々のおかげで、
「最後の決勝は絶対に優勝して終わる」と気持ちを切り替えることができました。

決勝までのインターバルの間は、ひたすら自分の気持ちを立て直し、ポールポジションから全力で挑みました。
スタートで一時順位を落としましたが、冷静に状況判断を続け、2周で1.2秒の差を詰めることができました。
ノーミスを意識し、繊細なドライビングを続け、トップに立ってからの12周は集中し続けました。
結果、今季GPR3勝目、そして鈴鹿OKクラス初優勝を飾ることができました。
9戦目のリベンジを、少しだけ果たすことができたと思います。

正直、とても悔しい一日でした。
9戦目では完璧なレース運びができていたからこそ、エンジントラブルが起きた瞬間は、ただ悔しく、悲しい気持ちでいっぱいでした。
それでも、しっかりと気持ちを切り替えた結果、最後に優勝という形で終えることができました。
チャンピオンを逃したことは事実ですが、この経験は人生の中でもとても大きな学びとなりました。

改めて「レースは楽しい」と心から感じられた、大切な一日でした。

応援してくださった皆さん、声をかけてくださった方、泣いていた僕を励ましてくださった方、
そして最後に「おめでとう」と言ってくれた仲間たち。
最高のセットアップを用意してくれたメカニック・エンジニア、サポートしてくださったチームの皆様、本当にありがとうございました。

カートレースとしてひとつの区切りとなるこのレースは、悔しさの中にも、これまでで一番濃い内容のレースでした。
この経験を次のカテゴリーで必ず活かし、チャンピオンを掴めるように頑張ります。

本当にありがとうございました。

プロフィール 酒井龍太郎
僕は6歳の頃、小学生になる前からレーシングカートを始めました。 速く、そして強くなることを目標に掲げ、光貞秀俊監督をはじめ、チームの皆さんや家族と共に全力で戦ってきました。 「誰にも負けたくない」という強い気持ちを胸に、どんなに苦しい状況でも諦めることなくレースを続け、その結果、多くの勝利やタイトルを手にすることができました。 2025年でカートカテゴリーを卒業し、来年2026年にフォーミュラにステップアップするため、僕にとって非常に大事な1年となります。 努力を重ね、ステップアップ後も世界の頂点とも言われるF1ドライバーを目指していきます。 今年も皆様の応援をよろしくお願いします