FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦サファリ・ラリー・ケニアで日本人として34年ぶり、自身初となる総合優勝を果たした勝田貴元選手(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)。歴史的快挙の裏側にある原点とマインドについて3月21日に開催されたRedBull Tokyo Drift 2026の舞台でRACING-DRIVER.JPのカメラに語ってもらった。

勝田選手は自身の原点について、幼少期のカート時代を振り返る。
「僕としては、やはり全日本カートに出る前、カートを始めた頃から、すごく厳しい方に育てていただきました。自分の父と言ってもおかしくないくらい、本当に長い時間を共にさせてもらった方がいるんです」
その人物から繰り返し教えられたのは、モータースポーツという競技の本質だった。
「モータースポーツって、物を使うスポーツなので、言い訳とか遅い理由って、探そうと思えばいくらでも見つけられてしまう。でもそうやってしまうと、絶対に進化しないし、成長しないとずっと言われてきました」
トラブルさえも自分の責任と捉えろ——。
「遅いのは、たとえトラブルが出てもそれはお前のせいだと。当時は正直理解できなかったですし、悔しかったこともありました。でも今振り返ると、そのマインドで育ててもらったことが今につながっていると思います」
優勝という結果を手にしてもなお、満足しない姿勢。その背景にも同じ教えがある。
「結果が出ても、優勝しても、怒られることばかりでした(笑)。でもそういう環境があったからこそ、“上には上がいる”という意識を常に持てている。結果に満足しないマインドが自然と身についていると思います」
Red Bull Tokyo Drift 2026にて日本のファンに圧巻のドリフト走行を披露した勝田選手
最後に、今カートに打ち込む若い世代へメッセージを送った。
「今カートを頑張っている少年少女たちには、現状の自分に何が足りないのかを考えてほしいです。大きな目標を持てば持つほど、それは必要になってくると思うので」
その“足りないもの”は、誰かに言う必要はないという。
「別に人に言わなくていいんです。自分が分かっていればいい。それを常に持ち続けることで、成長し続けられると思います」
そうした意識を持つ選手が増えることが、日本のモータースポーツ全体の底上げにつながると勝田選手は語る。
「そういう選手が増えれば層も厚くなって、より高いレベルの選手が出てくると思います。GTだったり、スーパーフォーミュラだったり、そしてF1もラリーも。これからそういう選手がどんどん出てきてほしいなと思います」
歴史的勝利の裏にあるのは、幼少期から積み重ねてきた“言い訳をしない”というシンプルで厳しい哲学だった。
勝田貴元選手へのインタビュー動画はRACING-DRIVER.JP 公式XまたはInstagramよりご覧ください。
https://www.instagram.com/p/DWJl4PTAk-c/
https://x.com/racingdriver_jp/status/2035367492831572303?s=20

