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RACING-DRIVER.JP編集部
2025.05.14

【独占取材】大木一輝選手に聞く! カートとツーリングカー 二刀流の活躍の秘訣!

今シーズン念願のSUPER GT300にGAINERよりレギュラー参戦を果たし、スーパー耐久でもTEAM IMPULよりST-Zクラスに参戦する大木一輝選手。普段はホシノインパルの従業員として従事する大木選手だが5月11日、その姿は鈴鹿サーキット南コースにあった。カートレース RokCUP JAPANにスポットでのレース参戦の為、なんとドライバーとして駆け付けていたのである。

大木選手と言えば、2009年よりレーシングカートを始め、全日本カート選手権FS-125クラスでは優勝、ランキング2位を獲得する他、最高峰カテゴリーOKクラスでも活躍し、まさに大木選手にとってレーシングカートは、レースキャリアのルーツでもあるが一般的には、四輪カテゴリー(ツーリングカーやフォーミュラカー)にステップアップ後にトレーニングを除くと本格的なカートレースに出場するケースは比較的稀なことでもある。

とはいえ昨年もRok CUP JAPANにスポット参戦して優勝を記録するなどカートレースのブランクを感じさせない活躍を見せた大木選手。5月11日に行われたレースでは、見事に2戦連続の表彰台を獲得した大木選手だが、今回のレース参戦にはどのような思いがあったのだろうか。本人に直撃したところ「シンプルに参戦している1番の意義は何かというとカートが楽しいからですね。もちろんシフト操作があるカートということで体力的にキツいのでトレーニングという側面もありますし、レース中の他のドライバーとの駆け引きという意味でも勉強になることがあるが何よりもレーシングカートが好きで、カートに乗るのが楽しくて小さい頃からやっている競技なので、チーム一丸となって1つの目標に向かって取り組むというのが楽しくて参戦している」と語った。
ツーリングカーやフォーミュラカーと異なり、レーシングカートにはサスペンションもなく、パワーステアリングという概念もなく、地面にシートが擦れるくらい低い重心で乗車するレース車両の為、体力的にはとてもキツイのは間違えない。だがそれを楽しいと語り、常に目先に目標を持って取り組み、自身の四輪カテゴリーのレースにも活かす姿勢が今年度、大木選手が念願のスーパーGTのレギュラーシートを掴んだ要因の一つであることは間違いない。


レースでは、第1戦、第2戦ともにこちらも現役スーパーGT 500ドライバー松田次生選手との激しいデットヒートを展開。激しいバトルの中でもお互いにスペースを残すフェアな争いに会場は多いに沸いた。松田選手とのバトルについて大木選手は「お互いスーパー耐久でも普段戦っているがクリーンなバトルが出来てとても楽しかった」と振り返った。


改めて2レースを終えた後に大木選手に話を伺うと「まずはシンプルに楽しかった。昨年参戦した際に優勝することができた経験からも自信を持って臨めたが、金曜日・土曜日と雨でぶっつけのレースでセッティングもままならない状況でしたが、事前にチームが車を持ち込んでテストをしてくれたおかげで無事にレースを戦えてチームの皆と笑顔で終えれたのが良かった」と振り返った。
レースウィークに久々にカートに乗ったという大木選手。雨天に見舞われドライでの練習が満足に出来ない状態だったようだが、それでも見事、第1戦 3位、第2戦 2位を獲得した。なぜ普段はGTカーに乗車しながら、満足に練習ができない状態でいきなり出場したカートレースで2戦連続の表彰台を獲得できたのか話を聞くと「何事も自分は準備が大切だと思っている。レースウィークの結果はその前の準備で決まるので見た目にはレースウィークにパッと乗って戦っているように見えるかもしれないが、チームとレースウィーク前にキチンと何度もミーティングをし、自分自身でもオンボード映像を見たりやれることは全部やった上で臨んでいるので自信をもってレースウィークに挑んでいる。どんなカテゴリーでも準備の上での結果だと思っている。準備の大切さは、色々な諸先輩方、特にインパルの皆様から教えていただいていつも淡々とやっているだけです」と語った。
準備の大切さ、そして目の前の目標に向かって全力を尽くすことの重要さを語った大木選手だが、やはりこれらは先般の角田裕毅選手、関谷正徳氏のインタビューでも語られていたこと。大木選手のようなツーリングカーのトップカテゴリーでの活躍を目指す選手には大いにステップアップの為のヒントになるであろう。
レース後のパルクフェルメで思わず「キツッ」と本音を漏らした大木選手。シフタークラスはシフト操作を必要するカートで最高速度は120キロ以上。コーナリング時には実に体重の4倍の力が掛かり体感速度は3倍とも言われる。



優勝した井出 七星翔選手と松田次生選手との表彰台の姿。3名の充実の表情と互いに祝福する姿にプロフェッショナルを感じた。

最後に今後のスーパーGT、スーパ耐久への意気込みについては尋ねると「スーパー耐久はチーム3年目でスーパーGTもポイントは重ねているが勝てていないので両カテゴリーでまずは勝利を目指す」と力強く語った。
インパルスタッフとしてまたインパルドライバーとして全開魂をモットーに活躍する大木選手。これからの活躍に目が離せない。


大木 一輝選手ページ
https://www.racing-driver.jp/kazuki-oki/

GPR KARTING SERIES オフィシャルサイト
https://www.gpr-race.com/

2025 AUTOBACS GPR KARTING SERIES Round 1&2 レース映像
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