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RACING-DRIVER.JP編集部
2025.05.06

【後編】関谷正徳代表が語る。世界で活躍するドライバーの強みとKYOJO CUPへのステップアップに必要なこと

関谷正徳氏への独占インタビュー後編
後編では関谷氏が考える世界の最前線で活躍するドライバーに共通する強みやKYOJO CUPへの出場を夢見る若手女性レーサーに期待していること、当サイトをご覧の皆様へのメッセージについてお伝えします。

■世界の最前線で活躍するレーシングドライバーに共通する強み、強みを得るには・・

かつてFTRS(フォーミュラ・トヨタ・レーシングスクール ※現 TGR-DC レーシングスクール)と呼ばれたトヨタの育成ドライバーオーディションプログラムにて長年校長を務めた関谷氏。F1やWECでも活躍した中嶋一貴氏や元F1、現WECドライバーの小林可夢偉選手、ハースF1チームのリザーブドライバーを務める平川亮選手など多くのドライバーの育成にも携わった関谷氏に世界の最前線で活躍するドライバーに共通する強みについて聞いた。
「皆、共通しているのは、常に上を目指す姿勢や行動力が魅力で現状に満足しない気持ちを持っていること。例えば、富士山五号目で良いと思っている人と頂上を目指している人とでは全く違いますよね。それは一夜にしてならないので、階段を一つ一つ上がるしか方法がない。階段を上がれば頂上に辿り着く。とにかく足を緩めないこと・決して諦めないこと、常に上を目指すこと、(自分自身・あらゆることに)どのぐらいハングリーになれるかが重要。(私にはできないなど)自分自身を常識に当てはめる必要もない。常識は過去のものでこれから切り拓いて行くもの。常識は全く関係ない。全ては本人次第です。」と語った。

先日行われたRed Bull Showrun × Powered by Hondaにて角田裕毅選手も「とにかく今やっているレース・カテゴリーでずっと1番になることだけを目指してやってきた。今やっていることに全力を注いでいければどんどん道も切り開いていけると思う。色々な壁にぶつかると思うのですけど、壁を乗り越えて乗り越えた実感を味わうことを楽しんで欲しい。」と語ったことも記憶に新しいが、やはり世界の最前線を知る関谷氏、角田氏の両名の言葉からも目の前のレースや目標に対し、出来得る最大限の準備をし、妥協をせず、目の前の目標の達成に向け、日々鍛錬をし続けることがトップカテゴリーへのステップアップには欠かせないのであろう。

またレーサーとしての強みを身につける重要な要素として、関谷氏は「現代は様々なところで情報を入手できるし情報量も多い。いくらでも手に入れられる。僕らの時代は情報を集めることからスタートだった。20年前とは全く違う。例えば幼少期や学生時代、長嶋茂雄氏が目標達成の為にどのようなことを考えていたかはわからないが、大谷翔平選手は目標達成のチェックリストを用いて日々鍛錬していたのは有名な話。とにかく目標の達成の為には、様々な情報を取り入れてどう活用するかは本人次第でいくらでもどうにでもなる。まずは日々情報を集めるのがスタートです」と語った。

現代はスマートフォンの検索に加え、AIの登場で様々な情報をいつでもどこでも短時間で簡単に得られるようになった。レーシングシュミレーターという環境もある。そういった環境が整った中でいかに必要な情報を選別し、自分のものにできるか、目標達成の為には何をしなければならないか、自分自身に対し、どれだけハングリーに目の前のレース以外の日常生活においてもやるべきことを全てやり切るか。その覚悟も必要なのだろう。

■KYOJO CUPの役割
今シーズンKYOJO CUPには新型のフォーミュラ車両 KC-MG 01が採用され、益々注目が集まるKYOJO CUP。そんなKYOJO CUPの役割について関谷氏はどのように考えているのだろうか。関谷氏は「KYOJOに出場するドライバー達に憧れる子供たちが増えることが我々として大きな目標。KYOJOドライバー達を目標にしているジュニアドライバーが増えることで底辺が大きくなる。そうすることで様々な才能を持つ女性レーサーを我々もピックアップしていける環境になる。KYOJO CUPとしても子ども達がKYOJOドライバーを目標とする、憧れの存在になるような環境をこれからも提供していく。KYOJO CUPは、誰もがスターになれる環境は提供しているので、可能性はいくらでもある。ぜひ行動を起こして欲しい。」と語った。

2025年シーズンからKYOJO CUPへ導入されるフォーミュラ車両 KC-MG 01(写真提供 株式会社インタープロトモータースポーツ)

■KYOJO CUPへのステップを目指す女性ドライバーへ期待すること・メッセージ
今年はカートレース「ROTAX MAX CHALLENGE」においてKYOJOクラスが設定された。女性ドライバーにとってもKYOJO CUPは憧れのフィールドとなるが、KYOJO CUPへのステップアップにはどういったことが求められるのだろうか。関谷氏に尋ねると「出場しているカテゴリーで男性と一緒に走っていても常に打ち破るぐらいの気持ちでカートをやり続けて欲しい。絶対に負けないと言う気持ちを大切に「自分はやれる」と思うこと。負けず嫌いな気持ちが絶対大事です。負けても仕方ないではなく、負けて悔しくてガンガン泣くくらい。幼少期の頃から負けず嫌いの子の方がプロになっていく。負けることを良しとしない。そんなレーサーが我々は欲しい」と語った。
更に「(ジュニアドライバーにとって)1番の理解者は親御さんです。そして、何より人間を変えることができるのは本当に情熱しかないです。例えばお子さんが「お父さん、私カートがやりたい、レースがやりたい」という情熱を伝えることができなければ当然、親御さんの行動を変えることもできない。レースでも野球でも子どもの熱量次第で親御さんの思いや行動を変えることもできますよ。親の気持ちや考えを変えることもできるということを子どもたちには知ってほしい。」と続けた。

筆者もかつてFTRSを受講した経験があるが当時、死に物狂いで日々やり残したことが一つも無いぐらい他を圧倒するような情熱を持ってレースに取り組めていたかと当時を振り返ると、当時こうしていればという思いも募る。夢の実現に向け今、がむしゃらになっているドライバーの方には、関谷氏のメッセージからもぜひ強い意志や行動力、そして何事にも情熱を持って周囲の人を巻き込み、1つ1つのレースに全身全霊をかけて取り組み後悔のない日々を過ごしていただきたい。

■RACING-DRIVER.JPをご覧のファンや企業の皆様へのメッセージ
最後に当サイトをご覧の皆様にメッセージをお願いしたところ「まずはドライバーのファンになってください。RACING-DRIVER.JPをご覧いただくことで一人一人のドライバーのレースに対する思いを理解いただき、感情移入することができたら他のスポーツに負けない凄さやエネルギーを感じていただけると思う。ぜひ興味を持ってサイトをご覧いただき、誰かのファンになってください。」とメッセージを残してくださいました。

当サイトにはレーシングカートからジュニア・ミドルフォーミュラ、トップツーリングカー・フォーミュラレースまでカテゴリー横断的にドライバーやチームの情報が掲載されており、サイトに掲載されている全てのドライバー、チームが熱い思いを持ってレースに取り組んでいます。ぜひ全てのドライバー・チームのページをご覧いただき、彼ら彼女ら、チームの熱い思い・メッセージをご覧ください。そしてファンになっていただき、ぜひエールをお送りください。

今週5月10日に開幕するKYOJO CUP。ぜひ本サイトから、そして富士スピードウェイでの現場で「ファン・推し」を見つけていただき熱いご声援をお送りください。

KYOJO CUPオフィシャルサイト
https://kyojocup.jp/