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RACING-DRIVER.JP編集部
2026.03.22

角田裕毅が語る「日本の車文化の誇りと戦友 勝田貴元への敬意」Red Bull Tokyo Drift 2026

2026年3月21日、関東某所。巨大な物流倉庫が、一夜にして日本のカーカルチャーの聖地へと変貌した。レッドブルが仕掛けた「Red Bull Tokyo Drift 2026」。ネオンが交錯し、ハイパワーマシンの排気音がコンクリートの壁を震わせる中、今シーズンRedbull RacingとRacing Bullsでリザーブドライバーを務める角田裕毅選手は、いつになくリラックスした表情で、カスタムカーの一台一台に熱い視線を送っていた。ストリートの熱気に包まれた会場での取材陣の囲み取材では、角田が抱く「日本のアイデンティティ」と、世界を舞台に戦うトップアスリートとしての胸の内を語った。

日本のドリフト文化:失ってはいけない「世界の憧れ」

会場を埋め尽くしたのは、世界中のJDM(日本国内市場向けの車・パーツまたはそのスタイル)ファンが垂涎する500台ものマシン。角田はこの独特な空間に身を置き、自国の文化が持つ強烈な影響力を改めて噛み締めていた。
「日本のドリフト文化は本当に素晴らしく、かっこいい文化だと思います。最近は安全性の面などで(走れる場所が)減ってきてはいますが、海外に住んでいるからこそ、日本のカスタマイズカーの素晴らしさや、海外からの日本のドリフト文化への強い憧れを感じています。」

Red Bull Drift Miniを披露したのは16歳でTGR WRCチャレンジプログラム5期生の箕輪大也選手。角田裕毅選手はこのMINIの助手席から登場した。

続けて角田選手は、「レッドブルがその素晴らしいカルチャーを先陣を切って再びこの国に戻してくれたことは、日本人としても非常に嬉しく思います。ただその反面、日本としてこのような素晴らしいドリフトカルチャーをもっと積極的にプロモーションしたり、昔ほどではなかったとしても、なんとかやり方を変えた形でも維持できたらといいなと感じました。」

異郷での苦闘と、心を癒す「豊かさ」の定義

幼少期からレーシングカートに触れ、国内最高峰のカートレース 全日本カート選手権、FIA-F4選手権を経て、10代で渡欧し、トップカテゴリーへと駆け上がった角田。そのキャリアを支えてきたのは、日本との「差」から学んだ自己管理だった。
「日本で学んだことは、『日本のご飯の美味しさ』かな(笑)。海外に出た当初は、どれだけ日本食が美味しいかを感じたし、海外の食事との差に苦戦しました。しかし、それがきっかけで自分で食事を作ったり、栄養管理をしようという行動につながりました。」

一方で、欧州の文化が持つ「心の豊かさ」にも深い愛着を寄せ「海外の文化が大好きです。街を歩いている人々がみんな笑顔だったり、おじいちゃんとおばあちゃんが昼からオープンテラスで一緒にビールを飲んでくつろいでいたりと、日本ではあまり見られない心の豊かさやそういった雰囲気が僕は大好きです。」

共鳴する魂:ラリーの勇者・勝田貴元への祝辞

今回のインタビューで最も印象的だったのは、先日のWRC(世界ラリー選手権)サファリ・ラリー・ケニアで自身初の総合優勝を飾ったラリードライバー、勝田貴元選手について触れた瞬間だ。二人は同じレッドブルアスリートであり、幼少期から互いを知る仲でもある。


「勝田選手のことは7、8歳の頃から知っていて、激励のメッセージもよくもらっていました。特に彼が海外に来てからは、同じように海外を拠点に戦う同じ境遇ですごく尊敬しています。勝田選手が優勝したことは本当に素晴らしいと思いますし、これからもお互いに刺激し合える存在ができたと感じています。」

角田選手と同じく、Red Bull Tokyo Drift 2026に来場し圧巻のドリフトパフォーマンスを発揮した勝田貴元選手

“車の国”という強みを活かし、世界に魅力の発信を

イベントのクライマックス、角田がドライブするVisa Cash App RBの日本GP限定スペシャルリバリーがアンベールされた。3月31日発売の「レッドブル・エナジードリンク チェリーエディション」をモチーフに書道家・現代美術家の青柳美扇氏とコラボレーションした鮮やかなカラーリングは、まさに日本の春とスピードの融合だ。


最後に日本のファンに向けて力強いメッセージで締めくくった。
「昨年は映画F1の公開もあり、僕が初めてドライブした2022年から去年の日本グランプリを振り返っても、観客の方の数が明らかに増えているのを感じていますし、とても嬉しく感じています。でも、もっともっとお客さんが増えてほしいと思っています。日本は、世界的に有名な自動車メーカーを多く持つ素晴らしい“車の国”だと思っています。そういった強みを活かしながら、どんどん世界に日本の素晴らしさを伝えていきたいと思っています。」